This Category : 2015

品種名 : オーブ (Aube)
作出 : 木村卓功氏 2014年発表
花色 : アプリコット・ピンク
花径 : 10cm
樹高 : 1.8m
香り : 強香
開花 : 四季咲き

花の名前「オーブ」
夜明けや明け方を意味するフランス語です。
一時も止まらぬ日の出の空のようにアプリコット、ピンクが微妙に混ざり合い、咲いている位置によっても花色が違い、
・・まさしく「オーブ」な咲き方をします。
画像は7月に木村さんのところで撮った2番花で、その時期でも良い花を咲かせていましたので四季咲き性もいいです。
香りはダマスクとミルラを含んだ個性的な香りが強く、開花時には側を通るだけで香りを感じます。
シュラブローズですが、
育てる場所によっては、もっと伸び・・つるバラとして使う事も可能です。
しかも、つるバラには少ない雰囲気の花色で、四季咲き、香りと、つるバラの役割を果たして余りある貴重なバラです。

品種名 : プリュム (Plume)
作出 : 河本純子氏
花色 : ソフトピンク
花径 : 8cm
樹高 : 1.2m
香り : 中香
開花 : 四季咲い

河本純子氏が今まで作出した花と一線を引くような作風です。
・・と言っても
女流育種家ならではの、甘く優しい雰囲気は一層際立ち、これから後に続く新品種に夢が膨らみます。
ほぼ直立性で、決して太くはない枝先に上を向いて咲く花は、ソフトピンクのコロッとしたカップ咲で、
満開になると花芯に黄色いシベが見えるようになります。
花びら一枚一枚は軽やかな羽のように感じられる所から、フランス語で羽を表す「プリュム」と名付けられました。
スリムに伸びる枝先に5~8輪の花をつけ、枝を数本切れば優しい花束が出来き、花瓶にさしてご覧になれます。
花が咲いたら切り花に積極的に使うなどして、咲いた枝を深めに切った方が樹形がまとまりやすいです。

品種名 :アレゴリー (Allegorie)
作出 : フランス デルバール社
花色 : 深いワインレッド
花径 : 8~10CM
樹高:0.9m
香り : 強いダマスク香
開花 : 四季咲き
この花をデルバールの圃場で初めて見たのは4年ぐらい前でした。
小ぶりな株で、近づいただけでオールドローズのような濃厚なダマスク香が漂ってきました。
当時は作出コードナンバーと花の写真を撮り、
その後、行く度に圃場で成長振りを見てきましたが、小ぶりな樹形は変わっていませんでした。
アルノー・デルバール氏によると、フランスの都市部でもポットでバラを育てるのが多くなって来ているとのこと。
デルバール社でもそれに合うような育種を進めてきていて、この品種もその一つだと言っていました。
彼は私が鉢植えで育てているのを知っているので、これは私のために作ったのだとジョークを言っていました。
その後国内で試験栽培されて来ています。
国内で見た株も変わりは無く、コンパクトな樹形で沢山の花をつけていました。
分枝が良く無駄伸びしないので、花が咲いた枝を切りながら形を作っていけるからです。
花は深さと華やかさを併せ持ったクリムゾンレッドのロゼット咲きで、咲き進むとブルーイングして紫を帯びてきます。
花にもまして香りも魅力で、甘いダマスク+フルーツの濃厚な香りがします。

品種名 : デスデモーナ
作出 : デビッド・オースチン
花色 : 白
花径 : 6~7cm
樹高:1.2m
香り : 決して強くはありませんが良香
開花 : 四季咲き
この画像を撮ったのは、7月初旬に訪ねたオースチンのバラ園です。
生憎雨でしたが、花痛みも少なく花形を保っていました。
そのような天候でもしっかりミルラの香りを漂わせていて、
晴れていたら、きっと、イングリッシュローズらしいミルラの強い香りが期待できます。
花の中心がピンクのツボミは、開き始めると白に近いコロッとした花がまとまって咲きます。
花は中輪ですが好ましい大きさです。
四季咲き性が良く、
私が試験栽培している株には、繰り返し花をつけています。
夏以降少し枝が伸びてきていますが、けっして無駄伸びするようなことはありません。
耐病性にすぐれていて、無消毒で過ごしています。
デズデモーナはシェークスピアの戯曲「オセロ」に登場する悲劇のヒロインから名付けられました。

品種名 : シフォナード
花色 : クリームイエロー
花径 : 5cm
樹高:1.2m
香り : 微香
開花 : 四季咲き
大輪花や個性的な絞りのバラなど得意とするドリュ社から、優しい雰囲気の中輪花が発売されました。
波打つ花はクリームピンクからクリームイエローに咲き進む。
枝の太さに合わせたように房咲きの花の数は違いますが、咲いた感じは花房全体が淡いグラデーションになる。
ドリュでは数年前からこの花を見せてもらっていましたが、社内ネームもあって大事にされてきた品種です。
樹形も耐病性も良いので育てやすいです。
花名はシルクのシフォンのような、やさしく柔らかいイメージからつけられました。

ドリュ社は2012年より日本で紹介されてきました。
ナーサリーはリヨンから車で約1時間半のフランス南東部、ローヌ県モンタニー村で育種と生産をしています。
今年からジョルジュ・ドリュ氏が代表を務めています。
とてもロマンチストなのでこれから発表されて来る品種が楽しみです。