This Category : 2018
vol.93 (2018.12.01~)

品種名 : リサリサ Risa Risa
作出 : 2018年秋発表 日本 木村卓功
花期 : 四季咲き
花色 : ピンク
花径 : 7cm
樹高 : 1.0m
香り : 微香
この写真は11月13日河本バラ園の新品種を育てている圃場で撮ったものです。
圃場に行った時、遠くからでもこの株の花付きの良さが際立っていました。
秋のNew Roses Vel.24で発表された木村さんの新品種です。
花は少しサーモンがかったピンクで花弁は波打ち、咲き進むと淡くなり、波のうち方もおだやかになります。
中輪の房咲きで、花付き、花持ちがとても良く、開花期間が長く楽しめるので、
我が家のような「小さな庭」にはとても頼りになりそうです。
樹高は1m位で、分枝がとても良いので、鉢で育てて形のよい樹形で沢山の花を咲かせることが出来るので、今から楽しみな品種です。
木村さんによると、樹勢が強く、耐病性がとても高く
「タイプ 1」(無消毒もしくは月1回の殺菌剤散布)黒星病にもとても強いとの事で嬉しいかぎりです。
花名は「笑顔」という意味のスペイン語「Risa」を重ね、笑いあう楽しいひと時をイメージして付けられました。

vol.92 (2018.11.01~)

品種名 : マリーヌ (Malines) 「Rose De Mercerie」シリーズ
作出 : 河本麻記子 2018年秋発表
花期 : 四季咲
花色 : ピンク
花径 : 7cm
樹高 : 80cm
香り : 微香(ティとフレッシュなフルーツ)
マリーヌは手芸が好きな彼女のブランド「ローズ。ドゥ・メルスリー・手芸屋さんのバラ」シリーズにこの秋新しく仲間入りした品種です。
ふわっと透明感のあるベビーピンクの花びらが花芯に向かってフレッシュハニーのような彩りになり、ボタンアイになる事があります。
コンパクトな樹形で柔らかくしなやかなシュラブで、シュートの発生もいいです。
四季咲性の良い中輪の花に合うような、葉は小ぶりで耐病性もいいですが
先日の台風では葉は飛ばされ、残った葉には塩害の兆候が現れました。
花名の“マリーヌ” は手芸好きな彼女ならではの命名で、アンティークなマリーヌレースからつけたのです。
ベルギーが発祥のメッヘレンレースが、フランスではマリーヌレースと呼ばれるようになっていました。
張りのあるオーガンジーは綿の強撚糸を使いますが当時の良いものには亜麻糸を使ったものもあると言われ、
一層張りを出す工夫がされていて、その網地に花、リボン、ドットなどをモチーフにして刺繍されています。
透明感のある美しいレースで、ボーダー状に作られたものが多く、
主に服飾用レースとして使われ中世の高貴な女性の絵画などにも描かれています。
(今回の画像は作出者の河本麻記子さんが撮ったものをお借りして、少しの加工を加えてます。)
vol.91 (2018.10.01~)

品種名 : ベル ドゥ レニエ Belle de Regnie
作出 : 2018年 フランス ドリュ
花期 : 四季咲き
花色 : 赤
花径 : 8~10cm
樹高 :1.0m
香り : 強香
昨年ドリュを訪問した時、ヴィシーと言う町に泊まりました。
画像はその時、ドリュの圃場からカットして持って来たのを、HOTEL近くの公園で撮ったものです。
この花は2015年にドリュに行った時、新しい品種だと圃場で説明してくれました。
小ぶりな樹形と強い香りが印象に残っていた花です。
我が家で今新苗から育てているのは、8月まで摘蕾していましたが今色付いているツボミがあります。
四季咲性がいいのもポイントが高いです。
花色は強い赤色ですが、深みがありシックさを感じます。
私には嬉しい鉢で育てるのに向いている樹高で、新苗から育てている株を来春形よく咲かせるのを楽しみにしています。
品種名はブルゴーニュワインのAOC銘柄より命名されています。

vol.90 (2018.09.01~)

品種名 : ニュー・ウェーブ (NewWave)
作出 : 2000年 寺西菊雄氏
花期 : 四季咲
花色 : 淡い藤色
花径 : 8~10cm
樹高 : 1.2m
香り : 中香
このバラが発表されたのは2000年です。
私がニューウェーブを最初に見たのは2002年頃で、
チェルシーガーデンに入荷した大苗に付いていたラベルの写真に引かれ、自分で育ててみました。
5月に咲いた時の印象は、ラベルの写真通りに波打つ花びらと花弁の多さで、今まで見た事がない花に驚きと新鮮さを感じました。
それまでのハイブリッド・ティは剣弁高芯咲きの整形花でした。
当時の私はイングリッシュローズにのめり込んでいた頃で、剣弁高芯咲きのハイブリッド・ティは興味の外でした。
私が驚いたのも無理はありません。
NewRoses2018年春号に、21世紀の日本のバラのスタイルは、ニューウェーブで確立したと記されています。
その後、日本のバラは新しいものを求めて変革を続けています。
作出者の寺西さんとは親交を深め、何度も伊丹バラ園にお伺いし、氏が東京にお出での時は食事を共にさせて頂きます。
寺西さんのお人柄は暖かく親しみやすい方で、お会いした時は当然バラの話になりますが、
いつもこれからどんな花に人気が出るか尋ねられ、いつまでも新しいバラ作りの探究心をお持ちです。
趣味の園芸(本)に毎月 「世界がときめくにっぽんのバラ」 というタイトルで連載され、テレビ放映もされています。
その中で氏が作出した品種の「天津乙女」「マダム・ヴィオレ」がすでに紹介されていますが、
どちらも日本を代表する整形花のハイブリッド・ティです。
いま発売中の趣味の園芸9月号では、このニュー・ウェーブが紹介されていて、
9月16日の趣味の園芸のテレビ番組の中で紹介される事になって居ます。
今までの作風と全く違ったニュー・ウェーブは、
交配した中で純粋に「このバラはおもしろい」という、長年バラだけを見続けてきた育種家の感性で株を残して置いたものでした。
うすい藤色に淡いベージュが感じられる花は、春は房咲きになって咲きます。
我が家にあるニュー・ウェーブは何代目かで、草花の中で咲いていても違和感がないハイブリッド・ティです。

vol.89 (2018.08.01~)

品種名 : ペネロペイア ( penelopeia)
作出 : 2018年 日本 木村卓功氏
花期 : 四季咲き
花色 : ピンク
花径 : 7cm
樹高 : 1.6m
香り : 強香
この品種は今春から新苗で発売でした。
お披露目は、5月8日から始まった横浜クイーンズタワーの横浜バラ展で
鉢植え大株が鉢から溢れるように咲いていたのが展示されていました。
その後18日からの国際バラとガーデニングショウでも、別の大株が展示されていました。
日にちが開いている両会場で同じように咲いていたというのは
もちろんプロとしての技術によりますが、花持ちが悪いとこうはいきません。
どちらも低い位置からの分枝で、咲き姿がとても良かったのが印象的でした。

花はピンクを基調にしながら、咲き進む間にクリーム、アプリコット、黄色が垣間見られみられ
房咲きの色のハーモニーがとても美しいです。
ゆるやかに波打つ波状弁咲きで、弁先が尖るのは交配親のシェエラザードの特徴からきているように思いました。
花色と花の大きさから、庭で周囲の草花とも馴染みやすく、耐病性もいいのでミックスガーデンに向いています。
枝にはトゲガ少なく、分枝も良いシュラブ系なので株姿も変えやすく、コンパクトな仕立てから、
秋に枝が伸びるシュラブの性質を利用してオベリスクに沿わせたり、アーチにとバラ遊びにはもってこいの品種です。
香りは濃厚なダマスク系にスパイス、ティー香を含んだ強香です。
名前は木村さんお得意のギリシャ神話からで
オデュッセウスの帰国を辛抱強く待ち続けた妻の名前から付けられています。
我が家にはこのバラの交配親のシェエラザードがあり、無農薬に近い状況で育てていますが
このペネロペイアにも期待していて、いま新苗で育てていますが木作りのため摘蕾に努めています。