
えぇ~これでぇと思われるかも知れませんが良いんです。
私にはこの先に広がる田園風景が思い浮かぶんです。
もう40年を超えますが、10月中旬過ぎにパリにいると、ノンマンディの方から冷たい風が吹き込むと、一気にマロニエのリーフシャワーが始まり、パリはセピア色になっていきました。
その頃になるとパリから幹線道路を外れ、なだらかな起伏のイル=ド=フランスの畑と森が続く先の小さな村のバルビゾンによく行っていました。
お目当ては村に一軒ある小さなカフェのタルトでした。
手作りの分厚い生地にフルーツがのった素朴だけど美味しいのが幾つかあり、いつも迷いながら頼むと「良いのを選んだ」なんて言われ、決まって大きなマグカップのカフェオレでした。
それを楽しんだあと、カフェの裏手にまわるとそこは、ミレーの晩鐘や落ち穂拾いのままの田園風景が広がっていました。
なので、小さな庭の先に広がる風景はフランスであり、イギリスであり、時にはドイツだったりする想いを巡らせています。